米上院議員ら、メタのAIメガネに「重大なプライバシーリスク」で調査
米上院議員らが、メタのAIスマートグラスについて「重大なプライバシーと安全上のリスク」を挙げ、秘密撮影やデータ misuse の事例を踏まえ調査を開始。感謝祭までに回答を求める。
米上院議員2人が、メタのAI搭載スマートグラスについて、発売以降に浮上した「重大なプライバシーと安全上のリスク」を理由に調査を開始した。ロン・ワイデン議員(民主党、オレゴン州)とエドワード・マーキー議員(民主党、マサチューセッツ州)は、最高経営責任者(CEO)のマーク・ザッカーバーグ氏宛ての書簡で、メガネを使って同意なく人々を秘密撮影した事例が複数あったと指摘し、同意、データ取り扱い、メタ社内の保護策について疑問を投げかけた。
10月30日付の書簡で、議員らは、公の注目を集めた不正使用のパターンを強調。404 MediaとBBCの報道を引用し、男性がメガネを使って女性に嫌がらせをしながら同意なく撮影し、その映像をソーシャルメディアに投稿した事例を挙げた。また、他の報道や訴訟によると、メタのAI請負業者が、メガネで撮影された、人が服を脱いだり性行為に及んだりする映像を閲覧していたと指摘。そのようなコンテンツは、彼らがアクセスすべきではなかったと述べた。
上院議員がメタに求めていること
ワイデン氏とマーキー氏は、メタに対し、メガネの録画とプライバシーの取り扱いに関する具体的な質問に答えるよう求めた。カメラの誤作動による起動の可能性や、録画インジケーターが改ざんされ得るかどうかを知りたいとしている。また、FacebookやInstagramと同様に、AI機能で顔やナンバープレートにぼかしを適用しているか、また、メガネの映像が従業員や請負業者と共有されたり、AIモデルのトレーニングに使用されたりする条件についても尋ねた。
書簡はまた、発売前の安全性テストにも踏み込んだ。メタ自身の文書を引用し、メガネを発売する前に、詳細な人権デューデリジェンスと安全性テストを実施したかどうかを質問。回答期限は感謝祭(2026年11月26日)とし、それまでに回答を求めた。
増え続けるプライバシー苦情
上院議員の調査は、メタのレイバン製スマートグラスをめぐる懸念の高まりに加わるものだ。ユーザーからは、ファームウェア更新により、同意なく会話を録音されたとの報告がある。また、ICE(移民税関捜査局)の捜査官が強制捜査中に着用しているのが目撃されたほか、ニューヨーク市警察の対テロ部門が1月に監視上の懸念を表明したと報じられた。10月には、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事が、民間の事業所内でウェアラブル端末を使った秘密撮影を禁止する法案を拒否。批判派は、これにより保護に穴が生じたと指摘した。
消費者にとっての意義
一般ユーザーにとって、この調査は根本的なジレンマを浮き彫りにする。スマートグラスは利便性とハンズフリーのAI支援を提供する一方で、周囲の人々がいつ録画されているかを知ることをほぼ不可能にする。電話は手に持つため視認できるが、メガネは顔に着用するため、隠し撮りが容易だ。上院議員の書簡は、メタが内部警告後もこれらのリスクを軽視してきた可能性を示唆している。
「メタが公言するプライバシーへの取り組みと親密な画像乱用の防止は、自社の製品や慣行がそうした害を助長するのを防ぐための具体的な措置を実証できなければ、空虚に響く」と議員らはザッカーバーグ氏に書いた。
今後の展開
メタはまだこの書簡に公に回答していない。同社はこれまで、プライバシーを真剣に考えており、録画LEDなどの機能を追加したと述べてきたが、批判派はその対策は不十分だと主張している。上院議員の調査は、公聴会や新法、規制措置につながる可能性がある。特に、メタの回答が安全対策の欠陥を明らかにした場合だ。現時点では、ボールはメタ側にあり、期限は11月下旬に設定されている。